昭和25年4月から着手した東照宮の昭和大修理事業は、昭和61年3月の第二期工事終結を以って指定建造物40棟の主要な修理が終了しました。その後は第三期工事としてアフターケアとなる維持補修を中心にした事業が平成14年度まで継続されています。 現在は、昭和大修理から半世紀が経過し、主要な社殿は外部装飾の劣化とともに木部の腐朽が進み始めるなど、改めて根本的な経年修理を必要とする再修理の時期を迎えています。 第三期工事では、上神庫など、先の昭和修理以来二度目となる経年修理にも平成9年度から既に着手しており、平成15年度からは第四期工事へと移行して過渡的に中神庫の根本的な経年修理を実施しました。平成19年度からはいよいよ拝殿をはじめ東西透塀、正面唐門など重要な主社殿の工事に取り掛かかり、平成25年4月を以って竣工しました。 事実上平成9年度から始まった経年再修理は第四期工事へと引き継ぎ、当面平成15年度から平成27年4月の家康公400回神忌を経て平成36年度まで、向こう22年間を平成大修理事業と位置付けて、長期計画の下での修理工事を予定しており、平成25年度からは拝殿に引き続いて本殿・石の間の修理に着手するとともに、陽明門工事にも新たに着工します。 第四期修理『平成第一期第一次』事業(平成15年度から平成18年度、中神庫1棟)既終了しました。 第四期修理『平成第一期第二次』事業(平成19年度から平成24年度、東西透塀、正面唐門、簓子塀、神輿舎、石の間・拝殿、6棟)この度竣工しました。 |
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1.工事期間
平成25年6月1日から平成31年3月31日、6ヵ年度継続。
2.対象物件
本殿・石の間・拝殿、陽明門の2棟。
3.修理内容、方針
◎ 各棟とも昭和修理の経年修理から二度目となる、装飾廻りの根本的な更新修理。
◎工事は外部廻りの漆塗・彩色・錺金具の更新を主に、一部内部塗装の繕いのほか、屋根・足元・縁廻り等の消耗的箇所についても調査を行ない、必要があれば部分的な木部解体修理を併せて実施していく。 ◎ 修理に当っては、作業が天候に左右されないように建物全面に覆屋(素屋根)を架設して、工事を実施していく。 ◎ 工事に伴って各種の調査を進め、新たな知見を探るとともに、建物の歴史的な経緯と伝統技術の仕様・工法の詳細などを出来るだけ明らかにしていく。 なお、同『第一期第四次』事業は、平成31年4月1日から平成36年3月31日、6ヵ年度継続で、下神庫、東西透塀(未施工残箇所)、背面唐門、表門附簓子塀(表門東方延長)、神厩、渡廊(附指定)など、複数棟の修理を予定している。
御本社・陽明門修理説明パンフレット |
修理は、調査・記録・見取図作成から始め、その後、金具や古い塗装(漆・彩色)を除いて木地を調えます。漆塗りと箔押し、岩絵具による彩色を中心とした三十数工程の作業を経て、金具には鍍金を施し、社殿は輝きを取り戻します。 |
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7. 完成 |